宮島昭夫大使によるご挨拶
皆様、こんにちは。
在ポーランド日本国大使の宮島昭夫です。
100年前、日本赤十字は約800人のポーランド孤児をシベリアから救出し、祖国への帰国を支援しました。
そして東京では,、福田会が温かく孤児たちの世話をしました。
この美しい人道的エピソードは、日本・ポーランドの友情の礎です。
本日は、数多くのシベリア孤児の子孫の皆様とご家族にお目にかかる事が出来、心より嬉しく思います。
また、この場にお集まりの、長い間語られる事のなかったこのエピソードに光を当て、
これを語り伝える事に大きく貢献してこられた方々に、改めて敬意を表したいと思います。
2002年には、当時の天皇皇后両陛下が、まさにこの日本大使公邸で、ご存命であられた孤児3名の方とお会いになられました。
20年前の事になります。
その際、孤児の皆様は、日本の救済に対する感謝の言葉を、両陛下に直接お伝えになったと聞いています。
後ほど、その感動的な場面を、福井テレビのドキュメンタリー番組でご覧いただきます。
また、1995年の阪神淡路大震災および2011年の東日本大震災の際に、ポーランドの方々は、被災地の児童・生徒を招待し、受け入れてくれました。
関係者の方々に深く感謝いたします。
近年ではドゥダ大統領ご夫妻が訪日の機会に福田会を訪問されており、大変素晴らしい事だと思います。
皆様、日本でもポーランドでも、この100年前のシベリア孤児の救出のエピソードをご存じない方が、まだ沢山おられます。
孤児の方々全員がお亡くなりになってしまった今日、このままでは忘れられてしまう危険性がございます。
ぜひ、このエピソードを語り継ぎ、日本・ポーランドの友情とのしっかりとした礎にするという大切なプロジェクトに、
福田会や我々と一緒に取り組むパートナーになってください。
特に、ここに集まっておられる孤児の子孫の皆様。
皆様は、両国の友情のシンボルであり、この友情を未来へつなげる大事なメッセンジャーでもあります。
どうか、ご両親や祖父母の方々から聞いたお話を、次の世代に語り伝えていって下さい。
また、他の子孫の方々とのネットワーキングも宜しくお願い致します。
皆様、ロシアの侵略は、第二次世界大戦後築かれた法に基づく秩序を根底から覆す暴挙です。
決して許す事は出来ません。
勇敢に戦い続けるウクライナの軍の方々に敬意を表すると共に、
献身的にウクライナの隣人を支援してきたポーランドの方々に、大変強い敬意と感銘を受けています。
日本は、厳しい大量制裁を実施するとともに、ウクライナと連帯し支援しています。
福田会は今、日本の市民の方々からの善意の寄付金を活用し、ポーランドの皆様と一緒にウクライナの避難民の皆様を積極的に支援しています。
かつて、シベリア孤児救済で示された日本の友情が、100年の時を経て、
今、日本とポーランド両国の人々によるウクライナ支援に繋がっている事に、深い感動を覚えます。
私は、2月24日以降、胸にこの日本とポーランドの国旗のバッジと、ウクライナの国旗の色のバッジを二つ付けています。
ウクライナ支援・ウクライナの人々を支援するポーランドの人々を助ける事を通じて、
日本とポーランドの善意の輪がさらに広がり、友情の架け橋が過去から現在へ、現在から未来へと繋がっていく事を願っています。
困った時の友こそ真の友。
日本はウクライナと連帯しています。
そして、日本とポーランドは友好国です。